【悲劇】なぜシドニーで流行らない? シェア自転車サービスの現実と問題点

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こんにちは、ローラです。

2017年後半頃から、シドニーを含むオーストラリアの主要都市でシェア自転車『BIke-Share』というサービスが開始されたのご存知ですか? オーストラリアに住んでる方なら、イヤでも目にしていると思うんですが、もうこれね、2018年のオーストラリアにおいてとんでもない大きな社会問題になっています。

とにかく、2017年のシェア自転車サービス開始以降、参入する会社が増えすぎて(当初2社だったのが現在5社)、そして街中にはこの放置自転車が溢れかえり、ローカル住民からものすごい苦情が上がっているんです。

ほんとこれ、実際問題、むちゃくちゃよ。そもそも自転車人口の極めて少ないシドニーの街に、赤や黄色といった目立つボディの色の自転車がテロ行為のごとく大量にばら撒かれたもんだから、2017年のサービス開始以降、シドニーの街並み、景観が恐ろしく破壊されはじめたのです。


PHOTO: A cluster of dockless bikes take up the path at Bondi Beach. (ABC News: Heather Nolan

オーストラリアが誇るボンダイビーチに無数に放置されたシェア自転車。

シェア自転車サービスの問題点 とりあえず5つ

1:乗り捨て自由なシェア自転車&利用に対するルールが各社ゆるゆる

2:回収スピードが遅い各社の代わりに、地域自治体が実費(税金)で対応させられている

3:州の法規制も追いついていなく、この新しいサービスに対する取り締まりが後手後手

4:利用者のモラルの低さ/ヘルメット着用ルール

5:そもそも坂道だらけのシドニーの地形に、自転車はフィットしない

PHOTO: Bike Sharing companies have three months to comply with new council rules. (:The Sydney Morning Herald:Lucie Billingsley )

1:乗り捨て自由なシェア自転車&利用に対するルールが各社ゆるゆる

もうね、このシェア自転車、乗り捨てが自由な時点で今の惨状が想定できたと素人ながらに思うんだけど、2017年にサービスが開始された当初、2社だけの参入だった市場にその後、別の企業も加わり、2018年の現在は5社もの企業がこのシェア自転車ビジネスに参入しています。最悪なことに、参入する5社から別々のシェア自転車がシドニーの街全体にバラまかれ、そして至るところで乗り捨てられるという、まるでジョークのような事態に発展しています。

そして、このサービスに参入している5社のほとんどは、中国を拠点とした会社なんです。なんか、あーーー、ってなったでしょ。(一部シンガポール)

そもそもね、このサービス自体が中国での庶民の足として爆発的に人気になったことからものすごい勢いで事業が拡大されていって、主要各社が世界中いろんな国にこのビジネスを展開させているようなんですが。(ところが現在、中国でも違法に放置されたシェア自転車サービスは大問題に発展中という、、ブログ最後に写真を載せています)

乗り捨て自由なシェア自転車はいちおう有料サービス(それでも30分$1程度)で、その管理は、各社ともに専用アプリが使用されていて、GPS機能が自転車に装置され、それをもとに違法駐車(放置)を監視したり、入会時に利用者のクレジットカード登録や、利用エリアを限定したり、それなりの策は取られているようなんですが、いやいや、、実際問題、目に余るほどに、公園、歩道、そして池の中などに無残に放置されているのが現状です。


PHOTO: Bike-sharing services ‘cluttering’ Streets to expand nationwide. (the NEWSDAILY: twitter UDN)

自転車の扱われ方もこんな感じでひどいので、大半の放置自転車が壊れた状態というありさまです。

もう、2017年のサービス開始以降、街中いたるところにこの放置されたシェア自転車の残骸を見かけるようになり、数ヶ月も経たないうちにこういった目に余る状況があちこちで見かけられるようになり、2018年現在、大きな社会的な問題に発展しています。

2:回収スピードが遅い各社の代わりに地域自治体が実費(税金)で回収

もうね、乗り捨てサービスなんて、あちこちに自転車が放置されるのはわかっているわけで、放置された自転車をちゃっちゃと各社が回収してくれていればきっと問題はここまで大きくなってないんだろうけど、公園や歩道、池の中にまでいたずらに放置された自転車が悪目立ちするなか各社の回収スピードが極めて遅く、結果的に、各地域自治体(Council)が街の整備のために実費=税金を使って回収してるのが現状なわけです。

PHOTO: State minister welcomes council’s swoop on bikes. (Government news: Darragh O’Keeffe)

ただでさえ、自分たちの住むローカルエリアがこの放置自転車で汚染されていくことに嫌悪感が増しているシドニー住民が多いのに、それをまた自分たちの住むCouncilが自分たちの税金を使って処理しないといけないんだっていうね、そりゃとうぜんの怒りが爆発ですよ。

2018年3月にはシドニーの主要な6つのCounsilが共同して州政府に声明を出して、その中でもボンダイビーチのあるWavely Councilは明確に、このサービスの全面禁止を要求してるそう。他の5つのCounsilに関しては、3ヶ月の改善期間を設定して、この間に要求した改善がなされることを期待するっていうの状況だそう。

個人的に、シェアサービスを提供する各社のグダグダな管理体制(惨状)を見ていると、まじでこれはゴミサービスだと思ってるので、州政府には徹底した構えを見せてほしいところ。

3:州の規制も追いついていなく、新しいサービスの取り締まりが後手後手

シドニーの主要な6つのCouncilによって強い改善要求が、たとえば規制の緩いビジネス体制を保つ事業会社のオペレーションを明確にするように、州に出されていますが、明確な回答が先延ばしにされている状況が続いているようで、このシェアサービスの問題はたびたびニュースに取り上げられています。

シドニーを管轄するNSW州政府自体は、新しい規制を今後取り込む姿勢を表明してはいるようなんですが、今回強い要求を出した6つのCouncil以外の他の都市からの意見も期待すると述べるにとどまっているようです。

PHOTO: NSW government vows to clean up dockless bikes (news.com.au:Facebook )

もうここまでになってくると、メディアを狙った愉快犯よね。

4:利用者のモラルの低さ/ヘルメット着用ルール

さらに問題なのは、シェア自転車を利用する人のモラルの低さです。そもそもとして、車社会のオーストラリア(都市部シドニーも)の市民にとって、車が日常の足なんです。

なので、このシェア自転車サービスのメインユーザーはおのずと、まだ車を運転できない未成年か、車を持っていないワーホリ、留学生として他国からきた移民、もしくは旅行者といった層になり、なんていうか、そりゃー取り扱いに無責任というか、大きな問題が生じるわっていう。

もともとシドニーでは自転車に乗る=ピタッピタのレーサー仕様なロードバイクを趣味にした完全なプロスタイルが一般的です。ママチャリ自体、まず見かけない存在です。そして、オーストラリアで自転車に乗る際には、ヘルメットの着用がきつく義務づけられていて、違反した場合の罰金も厳しく、たしか$300(約3万円)とかそんなレベル。

そんなこともあってか、このシェアサービス開始以前のシドニーは、自転車人口がとても少ない状況でした。それでも、車道を走る自転車(ロードバイク)と車との間で日常的にトラブルが起こり、車を運転する人は、自転車ライダーがとにかく嫌いという構図は日本同様ここシドニーにもありました。

ただでさえ自転車嫌いが多く存在する車社会のシドニーに、モラルの低い利用者によってシェア自転車が景観を損なうほど街中に溢れかえっているこの現実は、当然のようにシドニー市民の大きな議論の的です。てか私の周りの大人たちはみんなこの現実を不快に思っているよ。

んでもってさ、オーストラリアではヘルメット着用が義務なゆえシェア自転車にはヘルメットもセットでついているんだけど(なくなっている場合も多い)、どれくらいのあいだ外に放置されてるか分からない、そしてどこの誰が使ったか分からないようなヘルメットとか、頭に装着できる? 私にはムリだ。

5:そもそも坂道だらけのシドニーの地形に、自転車はフィットしない

私自身もともと自転車が大好きで、日本(東京)にいたころ通勤の足として毎日自転車を利用していました。片道1時間くらい全然余裕で、都内のたいていの坂道は止まらずに一気に駆け上がることができていました。なので、2011年にシドニーにきた際には、自分のパートナーとなる自転車を購入したわけです。ところが、実際にシドニーの街を自転車で走行してみると、もうね、ものすごい坂だらけということに気がつくわけです。海沿いの街が多いシドニーのEastern Suburbなんて傾斜の鬼きついアップダウンがあちこにあってもう、いちおうの経験者でもまじむりでした。当時の私は、ギアなしのロードバイクに乗っていましたが、いくらスピードつけて駆け上がったところで速攻限界。こんなのね、シェアサービスで使われるような重たいママチャリ仕様な自転車ではとてもとても登れないよ。坂道の手前で乗り捨てられるのがオチでしょう。

それが現実問題としてものすごい勢いで発展しちゃっているのが、ながーいながーいボンダイロードという坂をくだった先に位置する観光客に大人気なボンダイビーチなわけで、このボンダイビーチを管理する自治体、Waveley Councilは強い意志を持って、シェア自転車の全面使用禁止を訴えているわけなんです。

このボンダイだけに限らず、これだけ坂がきついシドニーの地形じゃあ、そもそも自転車文化が発展してこなかったわけだわっていうことを、私は身をもって体感しました。

さいごに

このシェア自転車サービス開始のそもそもの目的は、交通手段を多目的化することで年々問題になっている都市部道路の渋滞の緩和とか、肥満が増えているとされる健康問題への新たな取り組みとかなんだろうけど、とりあえず開始後の現実は悲惨そのもの、ただのジョークです。

なんていうか、広い大学の敷地内とか指定公園内だけの利用とかよっぽど徹底的にエリアを絞らないと、ただただ大きな鉄の塊っていうゴミがシドニー中に広がり続けているようにしか見えず、とっとと撤退してほしいと個人的には強く思っています。

とはいえ、サービスが開始された2017年後半期以降、街中の惨状に比例して、利用者もそれなりに増えてきているようで、徹底したルールの規制と違反した際の罰則を、サービス提供社と利用者に設ける法改正を早く出してくれというところです。

ちなみに、世界的に自転車で有名なオランダのアムステルダムからは、このサービスの参入を拒否されているんだって。日本ではそもそも放置自転車がダメだから、この乗り捨てスタイルっていうサービス展開自体むりだろうけど、中国会社のサービス参入はまじ気をつけろっていうね、小さな個人ブログで訴えてみます。

シェア自転車サービス発祥の中国の現状。こうなってからじゃ遅いって話よ

PHOTO: Shocking photos show bike share ‘graveyards’ in China (7news.Yahoo:Getty)

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