『クジラ(イルカ)漁』への外国人からの意見に、反論できなかった自分に腹が立ったので調べてみた

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こんにちは、ローラです。

週末いつものブッシュキャンプに行ってきました。今回、キャンプファイヤーを囲んでいた際に、きっかけは忘れましたが日本の『クジラ(イルカ)漁』について話が及び、私のつたない知識で説明したところで「それは言い訳にすぎない、知能が高いクジラ、イルカをなぜ殺す必要があるのか」と20代半ばのポーランド人男性からことごとく言い返され、悔しさを覚えました。そもそも私の『クジラ(イルカ)漁』に対する知識が、日本の一部に古くから残る慣習で文化だ、というくらいしかなかったことが相手にしっかり説明できなかった要因で、シドニーに戻ってきてから猛勉強しています。

まずは自分が理解しないことには相手の理解など得られるはずもなく、海外で生活する以上は、日本の『クジラ(イルカ)漁』に対する自分なりの意見を求められる機会もあると思うので、私が自分なりに調べたこと(主にネット情報)をここにまとめてみたいと思います。

そもそも、クジラとイルカの違い

私はここから知りませんでした。見た目の違いはわかりますよ、あの背中からプシューっと息を吐くのがクジラで、いわゆる水族館でジャンプしたり、群れになって泳いでいるのがイルカっていう感じの認識はありました。でもそれだけ。私、まず調べてみてびっくりしたのが、イルカはそもそもクジラの仲間で、体の大きさ、つまり体長によって大きく分けられるんだろう。知ってた?

体長、4m以下 を イルカ と呼び
体長、それ以上 を クジラ と呼び

ざっくり〜 本当に? と思っていくつかのサイトをジャンプしてみたんですが、まあどれもこんな内容だったのできっとそうなんでしょう。
とにかく、イルカもクジラも『海棲哺乳類』という同じ仲間ってことです。

日本の『クジラ(イルカ)漁』を世界的に問題視させたアメリカ映画『The COVE』

日本の『クジラ(イルカ)漁』を悪として世界的に有名にしたのが、2009年に公開されたアメリカのドキュメンタリー映画『The COVE』です。和歌山県太地町という人口3000人という小さな港町で、日本で唯一残るクジラの追い込み漁を、漁に携わる漁師たち総勢約20人を、クジラ(イルカ)を残酷に殺す悪の集団と見立てるように隠れてこっそりと撮影し、それをセンセーショナルに放映したわけです。追い込み漁はその漁の特性から、クジラ(イルカ)たちの血で海が真っ赤に染まるそうです。その様子も残忍さを印象付けるには十分で、この映画はまさかのアカデミー賞、長編ドキュメンタリー映画賞なるものを受賞し、日本の小さな港町で伝統的に引き継がれる『クジラ(イルカ)漁』は世界的に知られる悪の存在になったわけです。

なので海外にくると、日本人である私たちになぜ日本人は『クジラ(イルカ)漁』を止めないのか、彼らには高い知能があってそれを殺して食べるという行為はとても残虐だ、可哀想だと思わないのかと言った論争を投げかけられることが時にあるわけです。

彼らに、これを日本の昔からある慣習・文化だと言ったところで引き下がりません。悪しき慣習は時代の変化と共に終わらせるべきだ、という展開になるわけです。悪しき慣習って決めつけがもう、映画『The COVE』の影響すごいです。

現場ではクジラ漁、映画ではイルカ漁と呼ばれる印象操作

映画『The COVE』の中では太地町の漁をイルカ漁と呼ぶのに対し、実際の和歌山県太地町ではクジラ漁と呼んでいるらしいです。

この呼び方の違いに関しても、個人的に映画製作者の悪意を感じました。そもそもイルカもクジラの仲間なので、太地町の人たちはイルカだけを狙って漁をしているわけじゃないんですが、映画上、『イルカ漁』と言った方が、世論の感情を揺さぶることができますしキャッチーです。

メディアに精通したシーシェパードが参戦

2009年の映画が公開される前から、環境保護団体シーシェパード(本部アメリカ)のメンバーによる、太地町の漁業の妨害活動や抗議活動が行われていたようなんですが、このアメリカのドキュメンタリー映画の公開とアカデミー賞で映画賞を受賞したことによって、シーシェパードのメンバーは現地に常駐し、器物損壊、暴行事件、そのほかの違法行為などといった抗議活動を過激化しはじめ、大きな社会問題に発展しています。

小さな町に押し寄せる外国人集団の抗議活動/映画:『おクジラさま』より

このシーシェパードという組織団体はメディアに精通していて、SNSなどを通じて動画をアップ、世界に情報を発信し、自分たちの正当性を宣伝しているんだそう。動物愛護という名目でハッシュタグを使いツイッター上で外国人を現地(ものすごい田舎町よ)に集め、写真のような抗議活動を日々繰り返しているんだそう。

シーシェパードによる違法行為が地元の漁師たちの生活も脅かしていることから、太地町には臨時の交番までも開設される自体に発展。

一方で、メディア戦術とは程遠い田舎の小さな漁港

メディアに精通した世界的活動団体シーシェパードと争うこと自体、メディア戦術とは程遠い人口3000人あまりの日本の小さな田舎漁港の漁師たちにはそもそも難しく、情報(つまり自分たちの歴史的背景や文化、正当性など)を世界に発信できずに、黙って世論に追い込まれているのが現状のようで、情報強者と情報弱者といった構造も、日本のクジラ漁を通じて浮き彫りになっているよう。

情報操作自体、シーシェパードの得意とするところで、自分たちの資金集めや宣伝のために、日本の小さな漁港の追い込み漁を利用しているという批判も上がっています。

世界のクジラ(イルカ)漁と国際捕鯨委員会(IWC)

偏った内容の映画によって、日本の和歌山県太地町が悪しきクジラ(イルカ)漁の場所として世界的に有名になりましたが、同じクジラ(イルカ)の追い込み漁をする地域として、デンマークのフェロー諸島も有名で、他にもオセアニアのソロモン諸島、ペルーにもあるそうです。

デンマークのフェロー諸島には、約30年前の1986年にもシーシェパードが来て抗議活動を行ったようなんですが、現地の人々は相手にせず、そして自分たちの正当性を世界にも主張して、結果的に抗議の声を押さえたという経緯があるそう。まあ30年前だとまだインターネットも今のように普及する前ですし、情報の拡散スピードは今と明らかに違いますが、現在でも、引き続き巻き起こる保護団体やその他の活動家が誤った情報を流すとホームページを通じてすぐにきっちり反論をしているんだそう。2015年には、活動家による漁に対する妨害についての罰則も設けられ、最大で2年の禁固刑、約50万円の罰則金が科せられるんだそう。

デンマークのクジラ漁HP:http://www.whaling.fo/

そもそも、国際捕鯨委員会(International Whaling Commission/IWC)では、世界的な乱獲が原因で数が少なくなってしまったクジラを保護する目的で1987年には捕鯨が禁止されてたんだそうですが、小型鯨類(=イルカサイズのクジラ)はこのIWCの管理対象外で各国が自国の責任で管理を実施しているだそう。

なので日本の和歌山県太地町のクジラ(イルカ)漁は、なんら違反ではないということ。

19世紀末まで世界最大の捕鯨国だったアメリカ

私はぜんぜん知らなかったので、今回いろいろと調べているんですが、捕鯨の世界、歴史って調べるほど深いみたいで、19世紀末までは世界的に捕鯨が大々的に行われていたんだそうです。その主目的は、鯨油とよばれるクジラから取れるオイルだったそうで、鯨油は主にランプの明かりの燃料として使われ、オイル目的に世界的な規模でクジラの乱獲が行われていたんだそう。ところが1859年の石油採掘によって西洋の捕鯨は急速に衰退、さらに、世界的なクジラ乱獲による数の激減でクジラ漁そのものが衰退していったんだそう。

一説には、1853年のペルー来日による日本の開国も、捕鯨が大きな目的だったとされているそうです。

日本のクジラ(イルカ)漁と和歌山県太地町の歴史

日本の歴史を振り返ると、かつては日本の各地でクジラ(イルカ)漁が行われていたそうです。それが大きな歴史の流れと世界的な乱獲の影響で圧倒的に捕鯨量が激減し産業として割にあわなくなり徐々に衰退していき、現存では唯一、和歌山県の太地町という人口3000人の小さな漁港でのみ、クジラ(イルカ)漁が行われているんだそう。

この太地町はクジラの町として町おこしをしていて、過去さかのぼると400年もの捕鯨の歴史があり、この小さな港町の集落では、もともと地形の影響から水の恵みが少なく、そのためにお米も野菜も作れなく、唯一の生き抜く術として始まったのがクジラ(イルカ)漁の発端らしいです。

過去にはいろいろな形でのクジラ(イルカ)漁が行われていたようですが(中には残虐な漁の仕方もあったとか)、他国の技術、今の「追い込み漁』という形式に変わったのが、1960年以降だという。わりと最近。

19世紀の諸外国(主にアメリカ)による捕鯨の乱獲では、鯨油と呼ばれるクジラから取れるオイルが目的で、それ以外の部位は捨てられていたのが現実だったそうですが、日本の捕鯨は、食生産(タンパク源)を目的としたものだったので、石油の発見により諸外国が捕鯨から手を引いたあとも関係なく20世紀に入ってからも成長を続けたんだそう。

そして、日本の捕鯨は、必要数だけを獲り、すべての部位を使い、そして無駄にしない、環境に配慮した持続可能な漁だと、現存するクジラ(イルカ)漁の太地町は主張しているようです。

この必要数というのも、年間約1000〜2000頭の捕獲だそうで、この数字を目にした私は、クジラ(イルカ)漁への賛否は感情論含めいろいろあるだろうけれど、たった年間最大で2000頭しか捕鯨しない、そして捕鯨したクジラ(やイルカ)の部位は決して無駄にしない小さな漁港に残る慣習を、世界的に攻撃されている様子に正直、バカバカしさを覚えました。

 害獣駆除としての数の管理と人食いザメが増えた理由

ヒゲクジラと呼ばれる種類の大型のクジラは主にプランクトンを主食とするそう。一方で、ハクジラと呼ばれる、マッコウクジラ、イルカたちは、小魚・イカを主食にするそう。

なんらかの理由で増えすぎた生き物は食物連鎖の関係から、害とされ、数の管理という名の『害獣駆除』として、世界的に行われているようです。たとえば、私のいま住むオーストラリアで大人気のコアラも、クイーンズランド州で増えすぎたことを理由に安楽死をさせられたコアラたちが多くいるんだそう。あまり公にはなっていないようで、今回クジラ(イルカ)問題を調べていて目にしたとある情報です。

話をクジラ(イルカ)に戻すと、彼らの数が増えるすぎるとかれらが主食として食べる小魚、イカなどの魚群(水産資源)が減る、=別のビジネスが成り立たない、という理由から、意味あるものとして害獣駆除という乱獲はいまでも人知れず行われているようです。

オーストラリアでは近年、人を襲うホオジロザメ(=人食いザメ)が頻繁に人の立ち入る海域で発見されています。被害に遭う人も増えているようです。その理由としてクジラの増加が原因とする意見を読んだので、紹介します。つまり、捕鯨をやめたことにより、クジラが増加。そしてそれを食用にするホオジロザメも合わせて増加。結果的に、人を襲うエリアにまで進出してきているという皮肉をうたっていました。真意のほどは定かではありませんが。

キリスト教的な思考と日本的な宗教観の違い

日本人には、自然に八百万の神が宿るという信仰があり、普段わたしたちはあまり意識していないと思うのですが、つまりそれは、太陽、月、星、雨、嵐、風などの天文や気象的なことから、山、川、海、田、土地や石にいたる自然界のもの、そして家の玄関やトイレ、台所、という場所にも神が宿り、なので綺麗に保つ必要があり、さらには動物や植物にもとうぜん神が宿りその生に感謝しながら命をいただくという宗教観があります。ということも今回、クジラ(イルカ)漁を調べる中で改めて気づかされたことですが、これらに基づき、古来の風習を若い世代に受け継ぎ、長く続けていくということに日本人は美徳を感じる民族のようです。

一方で、キリスト教的な自然観は、今の時代に合わないものは変えるべきだと考える思考にあるようで、西洋的な宗教観が日本古来のクジラ(イルカ)漁を続けていることに批判をするのは、まあ当然っちゃ当然なのかなーと思ったり。

けれど、今なお続く、世界から批判の対象になる捕鯨は、和歌山県太地町という小さな漁港において400年の歴史をもつ町の誇りで、そして彼らの存在意義に関わる、まさにアイデンティティそのものだ、という『おクジラさま』の映画監督、佐々木芽生氏の意見を読んで、とても感銘を受けました。本当にその通りだよなーと思いました。

私のように海外に住む上で、クジラ(イルカ)漁抗議に対処するための結論

とりあえず、以前の私のように何も知識がないのでは、なんでクジラ(イルカ)漁と続けるんだという外国人からの抗議に正しい説明ができないので、自分の知識を多く備えておくことがが大事だと思いました。

そっか、でもごめん、あんまりよく知らない。で通しても別にいいんですけどね、私が今まで自身の知識&英語力のなさで適当にゴマかしてきたやり方ですが、今回、かなり年下のポーランド人の彼からの抗議&触発で目を覚まさせてもらい、自分なりに調べたわけですが。

個人的には、可愛い&無垢なイメージのイルカを殺すことは感情の問題として可哀想だと思います。(そしてアジアの数カ国では、犬を食べる文化があり、それには個人の感情として心を痛めます。)けれど、それが子牛を殺すのと、子羊を殺すのと、豚を殺すのと、ウサギを殺すのと、鹿を殺すのと、カンガルーを殺すのと、何が違うのか、私には説明できません。大切なのは、その命に感謝し、食べ物を無駄にしないということじゃないかと思うのです。

今後の外国人からの『クジラ(イルカ)漁』に関する質問には、今回調べた内容を持って積極的に答えていきたいと思います。もしまた別の答え(反論)に詰まったら、調べてシェアさせていただこうかなと思ったりしています。

*今回の日本(和歌山県太地町)のクジラ(イルカ)漁についての私なりの情報をまとめるにあたって、いろんなサイトを読み漁ったつもりですが、中でも、映画『おクジラさま』監督の佐々木芽生氏のインタビュー記事からのインスピレーションを強く受けて、記事にしています。ちなみに海外で合法で観れる手段を見つけられていなく、まだ映画は観れていません。ものすごく観たい。NetFlix希望!!!

余談

余談ですが、スーパーやレストランで無駄に廃棄される食品は、世界で年間13億トンらしいです。これはつまり、世界で生産される食品の1/3に相当するそう。全てを無駄なく消費されるクジラ(イルカ)漁なんかよりも、よっぽど大きな問題で、その食品廃棄量の世界トップクラスが日本だという。あれ。。。。八百万の神、泣いてるっちゅう話じゃん。想定外。日本が批判されるべきは、クジラ(イルカ)漁なんかよりこっちの問題じゃね?っていう話。

オーストラリアのシドニーには、廃棄直前の食料を全品無料という形で提供するスーパーがあります。世界で初めての試みだそう。お店のスタッフも全てボランティア。スーパーの家賃にいたっても、この活動を支持する人のサポートで、無料で貸し出されているという恩恵。数ヶ月前に行ってきた記事も併せて紹介しておきます。

『全品無料は正気だった! シドニー無料のスーパー【オズハーベスト】に行ってきた』

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