ワーホリ時代にはよく知らなかった『アンザックデー』というオーストラリアの祝日について

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こんにちは、ローラです。

オーストラリア(とニュージーランド)では、毎年4月25日をアンザックデー(Anzac Day)と呼び、この日は祝日になります。

この『アンザックデー』とは?

簡単にいうと、戦争によって失われた命を追悼するための日です。

『アンザック/ANZAC』とは、『Australian and New Zealand Army Corps』の略で、第一次世界大戦中のガリポリ(トルコ)の戦いで、オーストラリア/ニュージーランドの連合軍(アンザック)は多くの兵士たちの命を失ったんだそう。

その数、約4万6000人

一方このガリポリの戦いで、トルコ人は約8万5000人もの兵士を失ったそうで、数的に言うと、アンザック軍の倍。。ん

とにかく、オーストラリア(&ニュージーランド)史上、多くの兵士の犠牲者を出したガリポリ上陸日の4月25日を追悼イベントの日として、1916年以降、オーストラリアの祝日になったんだそう。そして第二次世界大戦後は、ガリポリの戦いに参加した兵士だけではなく、戦争に参加したすべての兵士のための記念日に変わっていったそうです。

『アンザックデー』のこの日は、何をするの?

戦争の追悼イベントではあるんですが、こうして今わたしたちが平和にオーストラリア/ニュージーランドで暮らすことができるのも、過去に勇敢に戦った人たちのおかげだとして、感謝をする日でもあり、追悼イベント自体は、なんていうか、とても明るいです。

オーストラリアの主要都市のあちこちで、アンザックデーにちなんだ華やかなパレードが行われていますが、2017年のシドニー内(マーティンプレースのたぶんピットストリート)で撮影された動画を発見したので、ご紹介します。

ドーンサービス/Dawn Service と呼ばれる早朝(夜明け)の礼拝に参列

『ドーンサービス/Dawn Service』と呼ばれる、早朝(夜明け)の追悼式が、アンザックデーの4月25日にオーストラリアの各地で行われます。

今朝のボンダイビーチにあるRSLクラブ(と呼ばれる退役軍人向けのクラブ)の前の様子。毎年ボンダイビーチでも、大規模なドーンサービスが行われ、その様子はこうしてインスタなどにも多くアップされています。

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Cecilia Hazel Bloomさん(@ceciliabloomskitchen)がシェアした投稿 –


毎年ものすごい数の人たちが、ガリポリ戦に上陸したとされる早朝時刻に、各地で行われる礼拝場に追悼のために訪れます。中には軍服を着ている人も多く見かけられ、少し物々しい雰囲気にも感じるんですが、実のところはけっこう賑やかで、家族連れで訪れた早朝の追悼式のあとはみんなでそろってレストランに出かけ、そして大人たちは朝からビールを飲み始めます。

ボンダイのカフェでマネージャーをしていた頃の、アンザックデーのトラウマ

超個人てきな余談ですが、オーストラリアにワーホリで来て以降、3年半ほどボンダイにあるカフェで働いていました。働き出して2年目くらいから、マネージャー職につき、ロースターと呼ばれるスタッフのシフト管理まで任されていたんですが、実は私、このアンザックデーのシステムをよくわかっていないまま、この日もいつもの祝日シフトの要領でスタッフ出勤スケジュールを組んでしまっていました。

上記でも触れましたが、このアンザックデーは早朝に行われるドーンサービスという追悼イベントに家族連れで参加し、セレモニー終了後には、家族で朝食(主に外食)をするのがイベントの一環でもあります。

働いていたボンダイのカフェは、朝6時にオープンする営業スタイルで、私はその日オープニングスタッフとして朝の準備をしていたんですが、早朝のドーンサービスを終えた朝6時半頃から、上記のインスタ写真(は今年2018年のものですが、まさにボンダイのドーンサービスです)に見るおびただしい数の人たちが家族全員で朝食をとるために、ボンダイの街全体を埋めつくしたわけです。

あの時の光景を、私は決して忘れません。。

朝7時前、スタッフはまだ私含め2人しか待機していない状況で、客席として準備した100席超がすべて、一瞬にして、埋まってしまったんです。私は早朝に目の前で起こるその事態をまったく飲み込めずに、一緒に働くニュージー男性にパニックになりながら聞いてみると、「あ!!!!今日アンザックデーで、そういやドーンサービスがあったんだ、、」っていう、この満席&行列をなす状況を前に、初めて事の重大さに気がつくという超大失態。私はこの状況をまったく把握せずに、通常の祝日パターンでシフトを組んじゃってたもんだから、次のスタッフ2名の出勤時間が8時という状況。満席の様子に超パニックになりながら、店のオーナー、ほかのスタッフたちにも、朝7時に電話をかけて、とにかく今すぐに出勤してーー!HEEEELLPPPP MEEEEEE!!!と叫んだ覚えがあります。アンザックデーは私の軽いトラウマでもあります。

アンザックデーの象徴とされる『赤いポピー』と『ローズマリー』とは

オーストラリアのアンザックデーには、この日を象徴する『赤いポピー』の花が式典に飾られ、アンザックの様子を伝えるテレビキャスターの左胸には『ローズマリー』が挿されてあります。

なんでこれらがオーストラリアにおけるアンザックデーの象徴なのか、いまいちよくわかっていなかったので調べてみたんですが、

『赤いポピー』の由来は、第一次世界大戦時のフランス北部やベルギーの戦地ではこの赤いポピーは11月に花を咲かせるとして知られ、勇敢に戦いそして敗れた(戦死した)人の血の赤が、その大地を鮮やかな赤に染め、赤いポピーを咲かせたんだという伝説もあるんだそう。

全く無知だったんですが、1919年以降、イギリス(カナダも?)では赤いポピーが戦地に花を咲かす毎年11月11日にリメンブランスデー/Remembrance Dayという祝日があり、戦争で亡くなった人を追悼するための赤いポピーの花を胸に飾る習慣が生まれたそうで、1921年、この習慣にならうかたちで、オーストラリアでも停戦を祝う追悼イベントであるアンザックデーに、国際的な追悼の花としてのこの赤いポピーを、式典に取り入れるようになったんだそう。へー (参照記事:「The Red Poppy」)

『ローズマリー』の由来は、上陸したガリポリの戦場で、このローズマリーが咲き乱れていたことから、アンザックデーの象徴とされたんだそう。こっちはなんだかシンプルね。

チャイルドケアセンターでのアンザックデーへの催し

私は、0歳〜6歳児が預けられるチャイルドケアで働いているんですが、祝日になるアンザックデーの前に、どの年齢の部屋でも、赤い花のポピーをモチーフにしたアート&クラフトといった遊びイベントが取り入れられることが多いです。

大したことじゃないんですが、赤ちゃんの部屋だったら、赤のペイントで赤ちゃんの手形をとって、手の真ん中部分を黒く塗って、赤いポピーに見立てたものを作ったり、2−3歳児の場合は切り紙とノリを使ってポピーを作ったり、戦争といったことは関係なく、ポピーの花の行事になっています。

『11 Simple Poppy Crafts for Kids to Make』

戦地で亡くなった人の血の色が大地を赤く染め、そこから真っ赤なポピーが咲き乱れたなんて伝説があったことを知ると、この赤色をモチーフにしたアート&クラフトを子供たちに提案することに、個人的に動揺ですが。

『アンザックビスケット』と呼ばれる、栄養価の高いビスケットを食べる

アンザックデーに限らず『アンザックビスケット』と呼ばれるビスケットは、年間を通じてどこのスーパーマーケットでも購入することができます。材料が、オートミール(麦)、小麦粉、砂糖、バター、そしてゴールデンシロップといった栄養価が高いとして、そして普通に美味しいので、子供たちにも人気のお菓子です。

働くチャイルドケアセンターでも、午後のおやつに提供されたりしますが、スーパーなどで売られる通常のアンザックビスケットは、大人にとってもものすごく硬い(食べ応えがある)ので、ホームメードの少し柔らかめに作られたアンザックビッキーが子供たちには提供されています。

戦時中には、卵が使われていないこのビスケットは日持ちがするとして、そして腹持ちがいいとして好まれていたんだそうです。

結局のところの、アンザックデーの正しい過ごし方

祝日のアンザックデーでは、追悼のためのいろいろな式典が各地で行われていますが、結局のところ、過去の戦争によって亡くなった多くの命を追悼しながらも、今こうして私たちが置かれている恵まれた環境に感謝し、命の大切さ、家族や周りの人を含め、限りある尊い命を大切にしていかないといけないよねということを改めて認識するということが、アンザックデーの正しい過ごし方なのかなと思っています。

追悼式に参加したオーストラリア人やその他いろいろな家族が、その後、みんなで楽しそうに食事を囲んでいる様子を見るにつれ、大人はたいがい酔っ払っているんですが、余計に強く感じます。

*さいごに*

いつかなにかで、アンザックデーの式典に参加する戦争を知るオーストラリア人(年配の方々)にとっては、敵国であった日本人を憎む人も多く、余計なトラブルに巻き込まれたくなければ、この日は家にいたほうがいい、という話を読んで驚いたことがあるんですが、個人的に7年間オーストラリアのシドニーに住んでいて、そういった負の対象になったことは覚えている限りないです。

5年ほど前、アンザックデーの日に働いていたカフェでも、軍服を着る年配の方に話しかけてみると、誇らしげにバッチ(勲章)の説明をしてくれたり(といっても当時の私の英語力では年配者の話す英語は特にアクセントが強く難解で、内容の9割を理解できていません)、すでに朝からビールを飲んでいる雰囲気はもうなんていうかとても和やかなものでした。当時は、日本人の私が嫌われているかもしれないなんてことを知らずに話しかけていたわけなんですが。

早朝のドーンサービスに参列したことはないんですが、シドニー内ではこの日、あちこちでパレードも行われていたりと賑やかな祝日なので、特にシティ内のマルティンプレースで行われる式典(&パレード)は毎年華やかなので、ぜひご覧になってみることをオススメします。
*本記事トップに載せた動画がそれ(2017年版)です。

他国であるオーストラリアの華やかな戦争追悼イベントを見ていると、日本の靖国神社の参拝に、近隣他国が異議を唱える意味についても、なんだか考えさせられています。オーストラリアも、私が知らないだけで、ガリポリの戦いでアンザック軍の倍近くも死者を出したトルコの国とかが、式典への野次を入れたりしているのかしら。知らないことが多すぎる。

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